【植物博士の話】
超短編小説・ショートショートで有名な作家・星新一さん。
その中でも有名な短編集『きまぐれロボット』より、
「リオン」という植物に関する話をお届けしたいと思います。
5ページの超短編小説なので、
一瞬で読み終わりますが、
オチも逸品で、個人的には好きな作品だったりします。
ということで話のないように入って生きたいんですが、
ネタバレしているので、
まだ読んでない方はぜひ原作を読んでから聞いてみてください。
この話のストーリー・あらすじを語ると、
主人公のエス博士は植物博士で、
動物学者のケイ博士の家にいくんですね。
すると、家には「リオン」という
一匹の見慣れない小さな動物がいます。
大きさはネコぐらいなんですが、
黄色っぽい色で、しっぽが大きくかわいい動物で。
ケイ博士によると、
なんてK博士が作り上げた混血の動物らしいんですね、
しかも、リスとライオンを組み合わせた動物とのこと。
最も強い百獣の王であるライオンと、
小さくてかわいいリスとを組み合わせたから
リスとライオン=リオン。
これはいいな、ということで、
そこで植物博士のエス博士はとあるアイデアを思いつきます。
というのも、
ブドウとメロンで新種の果物
“ブロン”を作ろうとするんですね。
しばらくして、ついに実がなるときがきて、
ブドウのように小さい実が、メロンのように少ししかならなかったというオチで・
人まねをしても、簡単に成功するとは限らないっていう話でした。
最後の一文が好きで、引用すると、
博士はブロンの実をもぎ、
つまらなさそうに口に入れた。
ちょっぴりすっぱい味だった。
『きまぐれロボット / 星新一(角川文庫)』 P95 より
【SFと自然】
世の中、そううまいこと話は進まないんですね、という話でした。
とはいえ、
最近はDNAの組み換えによって、
いろんな新種の食べ物もうまれてきているので、
メロンとブドウをかけあわせた植物が、
もしかすると生まれるかもしれません。
ということで、
星新一さんの
SSの世界、楽しんでみてはいかがでしょうか?
花や緑を楽しむ「ボタニカルラジオ」という
ポッドキャストも配信中。
カルチャーと植物を絡めたトークを声でお届けします!
iPhoneで聴く→ Apple Podcast
Android / パソコンで聴く→ グーグルポッドキャスト
Spotifyで聴く→ スポティファイ